『直す』ことの難しさ

会社の会計システム変更を検討しているとき、先輩から言われた言葉がある。『間違ったインプットを修正する作業は、正しいインプットをすることの5倍は労力がかかる。』

会計だけではなく、これはあらゆるシステムについていえると、この数ヶ月色々な場面で感じた。文化というシステムに根ざす人間関係についても然りである。

正しく第1歩を踏み出して、そのまま真っ直ぐ進めたら、最短でたどり着けるのだ。しかし、間違った1歩を踏んでしまったら、ただ一歩戻るだけ、ではない。同じ場所に戻す、あるいはゼロにすることは普段使わない力を必要とする。人は前に進むことは当たり前にできるが、後ろに進むことは普段ではありえないからだ。

ミスを正す過程は、たくさんの学びのチャンスを与えてはくれる。なぜミスをしたのか、どうすれば戻せるのかを考えるからだ。しかし凡ミスやケアレスミスは、ただの時間の無駄にしかならない。

ミスの起こりづらい環境を作って、修正にかける時間を減らせたら、もっと仕事をスムーズに回せる人になれるだろう。